最終日の夕方です。
この旅の一番最後の目的は、うちで冬から初夏にかけて使っている
”熊本・不知火(しらぬい)の塩トマト”の産地を訪ねるということです。
多くの素晴らしい食材が沢山ある中でも、特にこのトマトの味わいは素晴らしく、
濃厚な味と甘みは野菜というよりはフルーツです。
抜群の美味しさを誇るには、もちろん理由があります。
その理由を話として聞くだけではなく、実際に見てみたいと思った次第なのです。
熊本市から八代市までは車で約1時間。
八代市内の不知火に着くと、そこは海に近い農道が広がる土地です。
不知火のトマトの中でも、当店が使わせていただいているのは最高峰のもの。
福吉さんが育てるトマトです。
事前に電話で場所は聞いていましたが、同じようなビニールハウスが並ぶので、
福吉さんのハウスを探すのに一苦労です。
今の時期は残念ながら、ちょうど収穫も全て終わり
次の栽培も始っていない落とし穴の時期で、ハウス内も特に見るものもないそうなので
福吉さんとも特にアポは取りませんでした。
ただ、どういう所でトマトが育つのかそれが見たかったんです。
さすがどのハウスにも人はいません。
ウロウロ~ウロウロ~と歩きまわり、
福吉さんのハウスを探します。
あ!あった!
そのハウスの中で機会音が聞こえるので、入口の方へ行ってみると
あ、人がいた!
めちゃくちゃラッキー!
たまたま福吉さんが作業をしていらっしゃいました!すごい!!
環境が見られたらそれでいいと思っていたのが、
偶然に生産者の方にお話しを伺うことが出来ました。
福吉さん、本当に良い方で作業の手を止めて色々と質問にも答えて下さいました。
福吉さんの”不知火の塩トマト”は、大体が東京に行ってしまうことがほとんどで、
その中でも高級イタリアンや、料亭などで使われるような食材、
それ以外の場所で福吉さんの塩トマトがまわってくるということは、珍しいことです。
その貴重さと価値については私たちも重々承知しています。
大阪のピッツェリアでマルゲリータにのせていると聞いてビックリされていました。
「それ、値段合わんやろう~!」
ええ、それでも福吉さんの塩トマトには使う絶対的価値がありますから!
今は次の栽培の前に土を一旦耕し、太陽の熱によって土を自然消毒しているのだそうです。
「今の時期は何も見せてあげられるものがないから、今度はぜひ年末年始に来てよ!
もっとちゃんと見てもらえるからさ。」
そうですね、ぜひまたお願いします。
お礼を言ってハウスを後にしました。
そして、すぐ近くにある海の方へ。
ハウスの近くはすぐ海です。
そう、不知火の塩トマトが絶品なのはこれが所以です。
もともと海抜0mの不知火の土地は、土自体に海水が含まれています。
すなわち、もともとが天然の塩が含まれているミネラルいっぱいの土壌なのです。
この土地で育ったトマトは、天然のミネラルを含みます。
さらに限界まで水やりを抑え、厳しい環境で育てることにより
甘みと旨みがぎゅっと詰まった、最高のトマトとなるわけです。
最近は他の土地でも、塩トマトが栽培されていることがありますが、
天然の海水でミネラルを含むのは、この”不知火の塩トマト”だけです。
さらにその中でも、なぜ福吉さんの塩トマトが最高峰と言われるかと言うと、
数ある生産者のハウスの中でも、福吉さんのハウスが最も海に近いのです。
(→右側に写るハウス)
最高の環境と、絶対の誇りとこだわりを持って塩トマトを作る福吉さんの塩トマトが
素晴らしいのは必然です。
これが見たかったんです!
本当に見られて良かった!!
そして、福吉さんとお話が出来るなんてこれ以上ない幸せでした。
塩トマトの出荷は、年始から初夏まで。
残念ながら今の時期は、不知火の塩トマトのマルゲリータは召し上がっていただけませんが、
また来年にぜひ召し上がっていただきたいです。
今は今で、今の時期に最高に美味しいトマトでマルゲリータDOCをご用意しておりますので、
そちらをお楽しみに!
最高の旅の終わりを迎えられて八代をあとにしました。
このまま熊本空港に向かいます。
1時間ほどで空港に到着しました。
震源地である益城町に位置する熊本空港も被害が大きかったようです。
未だに館内で壊れている箇所や、立ち入り禁止の場所もありました。
それでもなんとか運行を開始し、営業を再開した働く人たちの力を感じます。
八代でもそうですが、空港へ向かう途中の民家や公共施設でも
ブルーシートで覆われている箇所や工事も多く、地震の影響の数々を目にしました。
やはり広い範囲で被害はあるのだと感じました。
1日も早く心休まり生活できる日々が戻りますように。
私もできることを大阪から続けます。
さて、旅の締めくくりに友人が勧めてくれていた熊本ラーメンを食べる予定をしていましたが、
福吉さんとお会いできた素晴らしいハプニングによって、タイムリミット。
熊本ラーメンは食べるに至りませんでした。
これはこれで残念ですが、また次の機会に!
夜の便で大阪へと帰りました。
ありがとう、福岡・熊本!
本当に来て良かったです。
またぜひ訪れたい土地です、その時を楽しみに。
みなさまも、長々と旅の記録にお付き合いいただきありがとうございました。
本当は1日1ブログ、3回で終わろうと予定していたんですが、
いつものことながら上手くまとまりませんでした。
それほど濃厚でした、3日間。
ただのお休みではなく、日々の営業に活かしていきたいと思います。
また明日から、どうぞ宜しくお願い致します。